中国、この7年間の変遷

中国人の海外旅行者は2020年まで激増する。彼らの行き先は主に日本だ。

日本、韓国とフランスがトップ
「争いではなく平和を!」中国人観光客は今、自国そして隣国日本の指導者に向けてこのようなサブリミナル・メッセージを送っているかのようだ。北京と東京の外交筋が歴史的な解釈について永遠ともみ合いを続ける一方で、中国の中間層は独自に「大いなる和解」を開始した。2013年から2020年にかけて、海外旅行をする中国人は9.300万人から2億人に増えるとされている。そして彼らがまず訪問するのは、順に日本、フランス、韓国の3か国だと調査会社CLSA は予想している。実際CLSAによると、 宿泊、料理、アトラクション、アクセスのしやすさ、ショッピングという観光の5つの主な基準に沿って観光地を分類した場合、これらの3か国は中国にとって最も魅力的な観光地に入る。
中国人観光客は、いわゆる新興国から脱却の段階にある国々に通常見られる変遷を今まさにたどっている。一定の経済的閾値(しきいち)(国際的観光業界はこの値を住民1人当たり8,000ドルと推定)を超えると、彼らはまず安価な目的地を訪問する。中国人観光客はここ5年間で、東南アジアを来訪することによってまさにこれを実践してきた。しかし、彼らは今やより洗練された目的地―ヨーロッパや北アジア―に向かっている。結果として、日本を訪れる中国人観光客は2013年の130万人から2020年に900万人に増えるとCLSAは予測している。

とても魅力的な国
日本の強みとは?もちろん距離が近いことがある。日本の西部は東京よりも中国沿岸部の大都市に近い。ホテルの需要に対する供給は不十分なものの、客室料は手頃である。また日本には多くの中華レストランがあるため、料理ももう1つの強みだ。続いてショッピングだが、高級品の価格は円安効果でヨーロッパの価格とほぼ同レベルにまで下がっている。最後に、重要な割にはあまり知られていない点だが、それは日本に中国人留学生が多い点だ。日本は中国人学生の受け入れ人数に関して米国に次いで2位である(94,000人程度)。彼等は一般的に富裕層の出身で、彼らに会うために家族や友人が日本に観光旅行に出かけてくるというわけだ。

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