必殺技は美食

日本のレストランは旅行者にとって国宝級

食の旅
日本政府が海外からの観光客に対して行った複数の意見調査の結果を見ると、外国人観光客が日本に旅行にやって来る第一の理由は「食」である。政府観光局の数字によれば、日本人旅行客が食事に費やす費用は旅行費の10%であるの対し、外国人旅行客の場合20%である。
すでに周知のことではあるが、日本のレストラン業界は、非常に質が高い。政府はこの切り札が経済的にも文化的にも優れていることを理解しないまま、長い間無関心だった。「ミシュランガイドが出版されるときに、当の日本は関心がないのか?」と、東京在住の外国人輸入業者はいらいらしていた。まず経済的な面で言うと、「日本のレストラン業を発展させるということは、将来的に国外への日本の農産物加工品の輸出を促進させるとにつながります」とジェトロ農林水産・食品部部長、村山麻衣子氏はOECDの研究レポートの中で語っている。そして文化的な面も同様である。日本では、美食は様々なものを結び、育む芸術である。「日本の板前は舞台の演出家であるかのように、その育成には生け花や陶芸も含まれています」と村山麻衣子氏は述べる。

過剰
東京には46,250軒のレストランがある(パリは13,234軒)が、その中でひどい店は極わずかである。高級な日本料理店が素晴らしいのは当然だが、驚くべきは普通の店の質の高さである。「日本でまずいものを食べることはめったにない」と銀座のレストラン「エスキス」のシェフ、リオネル・ベカ氏は言う。一つ星、二つ星のカテゴリーの店でさえ、既に感動的だ。 日本ミシュランタイヤ社長、ベルナール・デルマス氏は 「どんなタイプの料理であっても、地方なら5千円、東京なら1万円で素晴らしいディナーが食べられます。コストパフォーマンスはどこにも負けません。ミシュランは、一年間という短い期間で『ミシュランガイド ボンヌ・プティット・ターブル』を発刊し、その中で東京の日本料理レストランだけで300ものビブグルマン(コストパフォーマンスの高い、おすすめのレストラン)を紹介しました。パリのビブグルマンはすべての料理でも60しかありません!」と興奮気味に語った。

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